ハリウッド映画は昔のものが好きで良く観てきました。昔といっても幅広いですが、古くは戦前から70年代くらいまででしょうか。年代の幅は結構ありますね。こう考えてみると、ハリウッド映画というのは長く活力に満ちたものだったのだなと思います。ハリウッド映画というとまずイメージされるのは、戦後しばらくの、多くの超ビッグネームの俳優・女優陣が生み出されていったあの時代でしょうか。あの頃の俳優さんたちの有無を言わさない魅力というのはすごいですよね。
男性、女性問わず、カリスマ性の高い俳優さんたちがあれほど一気に出てきたというのは奇跡の時代であったと思います。やはり黎明期のなせる業でしょうね。また映画自体も、コメディ、ラブストーリー、社会派ストーリー、活劇もの、どれもそのジャンルの後の時代まで続くオーソドキシーを作り上げるのに成功していると思います。ですのでどの作品も今見ると正統的なのですが、当時は新しい確かなものを作り上げる妥協のない物づくりの精神にあふれていて、数十年たった現在でも、時代は感じても決して陳腐になっていないものばかりです。その後60年代、70年代には、次々と意欲に満ちた実験的なハリウッド映画が多く生み出されています。戦後まもなくの時代に作られたものが変わらない人間の心の豊かさを現しているとしたら、この頃に作られたものは、今でも変わらない、現代に生きる痛みが表されているものが多いと思います。
その後70年代後半になると、またSF等新たなジャンルで刺激的な試みに満ちた作品が登場してきました。その後いつ頃だったでしょうね。ものづくりの精神が影をひそめ一気に商業主義に堕してしまったのは。でも最近は一時期よりはぐっと良い作品も増えていると思います。ハリウッド映画にはまたぜひ往時のような奇跡の輝きを見せてほしいですね。